「命が喜ぶ瞬間を思い出すと、人生は輝く」パレント友紀子さんインタビュー記事

 
小澤仁美
2023年12月24日 11:47

 

こちらはインタビュー記事です。

元客室乗務員のプロコーチ・パレント友紀子さんにインタビューをさせていただきました。友紀子さんの内面の美しさを探る記事です。

客室乗務員や五つ星ホテルで接客の経験を積まれ、現在はプロコーチとして活躍するパレント友紀子さん。
まずはコーチングとの出会いを教えてください。

結婚・出産を機に客室乗務員を退職した後、企業研修のアシスタントをしていたときコーチングという存在に出会いました。コーチングという仕事があるのか、子育てにも役立つかも?という期待から、2019年に友人の紹介でCTIというコーチングスクールへ。「ここは何なんだろう」というのがCTIに行ったときの最初の感覚でした。

「ここは何だろう」というのは?

受講生はみんな強い向上心があって、自分の意見を持っている。でも誰かの言うことを誰も否定せず、そのまま自分らしくいることが当たり前。そんな場に出たのは初めてでしたが、なんだか不思議と心地よい、懐かしいような気持ちがありました。

ただ3日間のコースで大きく変化している人や、コーチングに大感動している人たちもいる中で、私はそこまで大きな変化は感じず。「この先に行けば何かを掴めるかも」という期待から応用・上級コースに進みます。自分にとって運命の仕事だった客室乗務員を退職してから、久しぶりに人生の波に乗っているような感覚を感じていました。

プロコーチになってからは、どんなセッションを提供されていますか?

特に、クライアントさんの中にある「響き」を見つけることを大切にしてきました。響きとは、理由なくただ純粋に、そのことについて想いを馳せるとワクワクすること。例えば、私にとっては飛行機が飛び立つ瞬間なんです。CA時代も今も、離陸の瞬間を思い出すと自分の命が喜んでいるのを感じてきました。日常を生きていると忘れがちなことですが、自分の響きを思い出すことは人生のコンパスというか、自分の生きたい人生を生きる助けになると思うのです。

コーチングセッション中は、鳥肌が立ったり感動して泣いてしまうこともしばしばあります。クライアントさん達からは「ゆっきーさんはあたたかくて、自分のそのままを受け入れてくれた」「ゆっきーさんの存在が心の支えになった」といって頂くことが多く、しみじみと幸せを感じます。

「あたたかい」「心の支えになった」、そんな友紀子さんの人間性のルーツはどこから来たのでしょうか?

子どもの頃に父が心の病気になってから、母は早朝から深夜まで働いて、私と弟を必死に育ててくれました。母は本当に大変だったのに、私と弟をいつも心の底から信じて応援してくれていたんです。私も母のような母でありたいと思いますし、出会う人にとってあたたかく、人生の大事な場面で支えとなるような存在になりたいと願っています。

昨年は「響きから生きる」を体現するために、カナダへ移住されましたね。

海外の教育を子どもたちに受けさせたいという想いから2022年にカナダへ移住しました。カナダは人と人との距離が近くて、すれ違うだけで「ハイ!」と挨拶したり、心あたたまるのを感じます。

日本では無言ですれ違うのがほとんどですが、私は日本でジョギングする時も必ずすれ違う人に挨拶をするようにしています。挨拶なんて小さいことかもしれませんが、そんな一人ひとりの行動が世界平和だったり大きな夢の起点になっていくと思うのです。

これからコーチとして、どう成長していきたいですか?

2023年からはNLP(脳科学)を学び始めました。コ―アクティブコーチングでは体感覚や直感と言った右脳的なことを多く学びますが、NLPはそうした感覚的なことだけでなく論理や根拠に基づいているところが良いなと思います。意識したことは実現する・無意識を味方にすると人生が変わる、といったところに可能性を感じるので、これからコーチングにもっと活かしていけたらいいなと思っています。

どんなに外側を取り繕っても、結局人の美しさは内面からにじみ出る光によるものである。知らない人にも自分から明るく声掛けをしたり、目の前の人を心から気遣う。友紀子さんのそうした人への想いは、寒い日の暖炉の灯のように、周りの人の心をやさしく照らしている。